母乳育児のお悩み解決　妊娠中からおっぱいをマッサージしておくと出がよくなるの？

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2021年3月25日2023年3月19日

母乳で育てるメリットはたくさんあり、母乳育児を望むママは多いものです。しかし、まことしやかに語られる「母乳神話」が、悩みのもとになるケースも。そこで、「母乳神話」はどこまでが本当なのかを専門家に取材しました。

母乳育児の最新情報を知り噂話に惑わされないで

母乳は赤ちゃんにとって大切なもの。栄養だけでなく、その時期に必要な免疫成分を含み、赤ちゃんの健康を守り、授乳中のスキンシップが情緒の安定にもつながると言われます。

よいことづくしの母乳育児ですが、 軌道にのるまでは、「出ない、痛い、眠れない」などのストレスに悩むママも少なくありません。また、「母乳を十分に飲ませてあげられない私はダメ親?」と思い悩むケースもあります。過去にネットで買った母乳が偽物だったというニュースは、背景に過度な母乳信仰があることをうかがわせました。

ママ達を追いつめる「母乳神話」の数々。「出産したら誰しも母乳が出る」というのに出ないのはなぜ?「母乳の方が、頭がよくなる」のに、ミルクを足したらこの子が可哀想?など。母乳だけで子どもの将来が決まるわけはないけれど、できることはやってあげたいと思うのが、母心なのでしょう。

そこで、ここではママ達が言われて傷ついた言葉が真実なのか、3人の先生にご意見をいただきました。最新データを元にしたご見解から、母乳のホントのところを考えてみましょう。

「母乳神話」は医療者によっても言うことが違うため、ママたちは何を信じてよいかわからなくなりがちです。科学的知見から、その是非を見直してみました。

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01.妊娠中からおっぱいをマッサージしておくと出がよくなる　✖

妊娠中のケアは不要マッサージも関係なし

妊娠後期に助産師がおっぱいをチェックする産院もありますが、最近はチェックは不要だといわれています。もし乳首が陥没や扁平でも、赤ちゃんしだいで問題なく飲めることもあり、「陥没だから母乳育児ができない」と、ママに余計な心配をかけるからです。

「妊娠中に扁平や陥没を引き出すケアをしたグループと、しなかったグループとで、母乳量に差はないというデータがあります。乳首は産後の方が伸びやすくなります。没乳頭でも、赤ちゃんが乳輪まで大きくふくめれば、陰圧がかかって乳資が出てきて飲めるようになります」(水野先生)

「乳カスも取る必要はありません。赤ちゃんが飲めるようになれば、乳力スは取れます。マッサージも乳管を傷めるのでしない方がいいという人もいます」(森戸先生)

母乳は産後に胎盤が出て、プロゲステロンが低下することでスイッチが入り、プロラクチンが乳腺の発達を促して生成します。また、赤ちゃんの口の大きさやよく飲むタイプかなども、生まれてみないとわからないので、妊娠中にできることはないのです。

ただし「おっぱいで育てるイメージがわかない人は、動機づけとして助産師に見てもらっても」(水野先生)とのこと。

母乳の出の悪さを「妊娠中に何もしなかったから」と、後悔することはないのですね

妊娠中に胸が大きくなるのと、母乳の出の良さは関係ない　〇

バストが大きければ「妊娠中にバストが大きくなるのは、よく出るわけではない

一般的に妊娠するとバストが大きくなり、ブラもサイズアップすると言われますが、なかにはサイズが変わらなかったという人もいます。またバストが大きいから母乳がよく出るとも限らず、小さいままなのに、母乳はよく出るという人もいます。

「乳腺が発達するから、バストが大きくなる人が多いのですが、母乳の出はまた別の話。スムーズに血が変換される人は、バストが小さくてもよく出るし、大きくても乳管が細い人は出ないので、バストの大きさとは関係ありません」(海老根先生）

「妊娠中にバストが大きくなるのは、乳腺細胞が乳汁分泌細胞に変化し、初乳を産生していることが関係します。ただし、それは母乳の出のよさとは関係ありません。母乳を作る量には個人差があります。一度に多くの母乳を作るママは授乳回数が少なく、量が少ないママは授乳回数が多くなるかもしれませんが、1日の母乳産生量で見るとどちらも同じだったりします。」(水野先生)

母乳の生産量は赤ちゃんの飲み方や個性でも違うので、授乳回数もそれぞれです。ママのおっぱいのタイプと赤ちゃんしだいで、母乳の出方も変わるのですね。